レース前半戦は向かい風との闘い

さて、レース前半(池間島の池間大橋の折返し、約41キロ地点)までは、向かい風という厳しいコンディション。時折突風も混じり体が前に進まない。おまけに雨も降ったり止んだりと繰り返し、精神的にも体力的にも少しづつ削られていく・・・。スタートして、すぐに最初の橋、来間大橋を往復。といってもここは半分ほどで折返し。まだ夜は明けていないので、ランナーが作るヘッドライトの筋のみで真っ暗。風が強いので波の音だけが聞こえる状態。淡々と歩を進める。

13キロほど進むと、今レースで最も長い橋(往復で10キロほど)、伊良部大橋に到着。まだ真っ暗。例によって波の音のみ聞こえる。海へと出たことで、風を遮るものは何もなくなり、強い向かい風がランナーを襲う。突風を受けるとまっすぐ走れないぐらい。折り返したら楽になる、と自分に言い聞かせ、一歩ずつ前へ、前へ。途中から、東の空が白々してきて、橋の全貌が徐々に見えてくる・・・。なんだあの坂は(-_-;) 長い橋、向かい風だけではなく、橋が盛り上がっているところが2か所もある・・・。もはや修行・・・。これも、折り返したら追い風が待ってる、とブツブツ唱えながら、進み続ける。

ようやく折返し。長かった。と言っても、また引き返すのですが・・・。でも今度は追い風。面白いぐらいに押してくれる。5,6キロほどは楽できそう。折返しの半分ぐらいくると、完全に夜が明けた。晴れていたら、絶景だろう伊良部応橋の景色も、この日はどんより・・・風も強い・・・残念。その景色は次回へお預け。

本島へ戻ると、あとは海岸沿いをひたすら北上していく。伊良部島を臨む湾をこえるとひたすら一直線の道になる。ちょうど31キロ地点あたり。左右にはサトウキビ畑、進んでもサトウキビ畑・・・長い。気持ちを切らさずに走っていく。途中、46キロ地点の着替えエイドを右手に見て、さらに北上。ようやく池間大橋が見えてくる。ここも案の上、暴風雨。吹き飛ばされそうになりながらも折返し、追い風を受けて、今度はひたすら南下していく。

46キロの着替えエイドで、もう雨は降らないでーと祈りながら、Tシャツを着替え、預けておいたスペシャルドリンクをかきこみ、いざ出発。滞在時間は2分ほど。ウルトラは休憩しすぎると体が固まってしまうので、エイドはなるべく短時間で済ませるようにしている。もちろん、ここにはおいしいそうな食料(宮古そばなど)があるのだが、我慢。時間的なものもあるが、後半は固形物を取らないよう胃に負担をかけないように進んでいくのだ。

レース後半、アップダウンが続く。気持ちが折れる

南下しつづけること数時間・・・。相変わらずのどんよりした天気と強風。祈りも通じず時折雨。アップダウンを繰り返すコースに気落ちが切れ、60キロ過ぎから歩きを挟みだす。このあたりは、景色が前半の広大な海の景色から一変、変わらぬ畑の風景で飽きが・・・景色のせいではなく、己の気持ちの弱さだが・・・なんとか、東平安名崎灯台の入り口75キロ地点に到達。灯台まで2キロの看板に、気持ちが凹む。2キロがこんなに長いとは、おまけに灯台到着し、折り返すと、これまた、大変な向かい風。景色を楽しむ余裕もなく、進む進む。途中、左手にこれから走っていく、コースが海のはるかかなたまで続いている。おまけにアップダウンも見てわかる。ここでも気持ちがー。宮古島は、後半勝負の大会だと、ここで確信(気づくのがおせぇーよ)

コースの沿道には、熱心に応援してくれる方々いらっしゃり、元気をもらえる。私設エイドをやってる方もいらっしゃり、こんな情けない走りで申し訳ないと思いながらー。本当にありがとうございました。

時折、海外線が見えるが、見ての通りの曇天

灯台クリア後は、さらにアップダウンの連続。きついぜ。

さて、無事、東平安名崎灯台もクリアし、86キロ地点のスペシャルドリンク地点を目指す。この大会は中間地点と、この86キロ地点の2か所にスペシャルドリンクを預けることができる。ここではお腹は空いていても、固形物は入らないと予想したので、エネルギー系のゼリーを2個預けておいた。これは的中し、空になった胃袋に吸い込まれていく。

東平安名崎灯台。見えてるも、なかなか辿りつかない。そして折返しは強い向かい風

灯台で見えたように、最後の西へ向かうコースは、アップダウンがさらに激しくなっている。ずっとは走ってられなくなり、登りは歩く、平坦&下りは走ると決める。左手には、大きなリゾート施設が散見されてきたが景色を楽しむ余裕はすでになく淡々と走る。ちなみに、途中からは平坦&下りも走れなくなり、800メートル走る&200メートル歩く作戦になる。

歩く走るを繰り返し、ようやくあと2キロの交差点へ。ここで50キロランナーさんと励まし合いながらゴールへ。もうヘトヘト。2キロ全部歩く。久々のウルトラは、悪天候ではあったものの、トレーニング不足と歳を感じたレースとなった。最後の角を曲がり、ワイド―マラソンのゲートが見えたときには少々涙ぐんでしまった。

ということで、完走はできたものの、レースプランと比較すると30分も遅れ、悔しい大会となった(天候も含め)。また、私は今回初めての参加で知らなかったのだが、制限時間が13時間(前回より1時間短縮)となり、完走パーティが無くなったようだ(前回までは開催された)。コロナ禍も5類に移行し、ようやく通常の生活に戻りつつある中、規模の縮小は少々残念。予算や人員の問題があるだろうが、ランナー間やスタッフとの交流ができて、そのレースの魅力が何倍にもなると思う。ほかの大会でも縮小の流れが出ないことを祈る・・・

高度データ

100キロで獲得標高989メートル。沖縄ウルトラ(928メートル)と同じぐらい。でも宮古島の方がきつく感じた。

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