マイクロドローンの世界

ドローン

その名の通り、マイクロなのである。その大きさゆえに、人に近づいたり、狭い隙間を通り抜けたり・・・これまでのドローン撮影では難しい表現を可能にしてくれる可能性をたくさん持っているのが、マイクロドローン。導入についての初歩の初歩を紹介する。

ひと言でドローンと言っても種類がある

ドローンといえば、DJI社のPhantomシリーズやMavicシリーズを思い浮かべる人が多いと思うが、その目的や操縦方法、映像伝送方法などの違いによって、大きく空撮用とレース用、そしてマイクロドローンの3種類に分けられる。

DJI社のPhatom4 Pro

DJI社のPhatom4 Pro

空撮用ドローンは、先に述べたDJI社のPhantomシリーズやMavicシリーズが代表的な空撮用ドローン。操作・映像伝送に2.4GHz帯の電波を使い免許不要で飛ばせる(飛行場所、状況により国交省の許可は必要)。専用のコントローラで操縦、そのコントローラーにスマホやタブレットを接続し、専用アプリで機体からの映像を確認、また機体の状況(高度や飛行場所、向き、電圧など)モニタリングできる。GPSや赤外線センターなど多様なセンサーの働きで、ホバリング中に手を離すと、その位置にキープできたえり、障害物を避けたり、止まったりすることができる。バッテリーの残量に応じて、自動的に帰還、着陸させるなど安全に飛行できる機能が満載。操縦方法を理解すると誰でもすぐに飛ばすことができる。またカメラはパン・チルトの操作が可能、希望の画角の撮影ができる。カメラは機体にジンバルを通して搭載され、機体の傾きや振動に関係なく非常に安定した映像を撮影できる。

レース用ドローンは、速さと機敏性を追求したドローン。5インチサイズのプロペラで、重さ約500g。その機体が最高時速150キロで走り(飛び?)抜ける。カメラはFPVカメラと呼ばれる、機体から見た1人称視点。つまり機体に乗ってみているような映像をFPVゴーグルと呼ばれる受信機で受像し、コントローラーで操作する。操作する電波と映像伝送の電波の周波数を分けていて、操作は2.4GHz帯、映像伝送は5.8Ghz帯が使われる。したがって、この機体を操縦するのは、無線免許(アマチュア無線や陸上特殊無線技士)と、使用する周波数の開局申請が必要となる。また、ゴーグルを付けての目視外飛行になりますので、国土交通省の飛行申請・許可も必要になる。高速で飛ぶので映像伝送の遅延をなくすためアナログ方式が使われており、ゴーグル内に映る映像は荒い。あくまでも、飛行操作用。

GPSや障害物検知などのセンサーは一切なく、操作を辞めるとすぐに風に流され墜落する。ホバリングするだけでも高度な技術が必要となる。このドローンは、練習が必須で、手に入れたからすぐに飛ばせるというものではない。最近では、この機体に、Gopro等のアクションカメラを載せ、急降下やアクロバティックな映像を撮るシーンも増えている。時速100キロで、森の中や、山岳地帯、ビル群を疾走する映像は迫力がある。

マイクロドローンは、レース用ドローンをさらに小さく、手のひらに乗るサイズで小回りが利く機体になっている。プロペラサイズもパワーも小さく、レース用ほどスピードは出まない。しかし、その小ささサイズゆえに、森の木々の中を飛ばしたり、狭い隙間を飛ばしたりできる。プロペラガードがついているので、人の近くでも飛ばすこともできる。操作・映像伝送は、レース用ドローンと同じで、操作に2.4Ghz帯と映像伝送に5.7~5.8GHz帯を使う。従って、無線免許(アマチュア無線や陸上特殊無線技士)と、使用する周波数の開局申請が必要となる。しかし、機体の重さはバッテリーを付けても200グラムを切るため、ゴーグルを付けた目視外飛行であっても飛行のための国土交通省への飛行申請・および許可は必要ない

マイクロドローンを飛ばすのに必要なもの

マイクロドローン本体

Betafpv社 65X HD 小さいけど1920×1080のHD映像が録れる

機体本体。完成品と、パーツを購入して組み立てるタイプの2種類がある。はんだごてが得意な方は自作してもよいかも。注意が必要なのは、①海外のサイトで購入すると電波使用申請で必要なVTX(映像送信器)の回路系統図が付属しない場合がある。国内の販売店では付属するお店が多いようだ。購入時に確認することをお勧めする。②送信機にはメーカーにより通信規約(プロトコル)が異なるので、下で説明するコントローラーのプロトコルと合わせないとバインド(機体の送信機とコントローラーをリンクすること)できないので注意。③BNFと表記してある場合は、送信機がドローン本体に組み込まれていません。別途購入が必要になる。その場合でもプロトコルを合わせて購入する。下に主なメーカーとプロトコルを示しておく。私の場合は、betafpvというメーカーのX85HDという機種を日本の販売店から、映像送信機の回路系統図付きで購入。コントローラーがフタバの「T-FHSS」であるため、機体の送信機を「フタバ」であることを確認して購入した。

メーカー 通信規約(プロトコル)
フタバ FASST、S-FHSS、T-FHSS
FrSKY D16、D8
Spectrum DSN2、DSMX
Flysky Flysky

コントローラー(プロポ・送信機)

フタバ社 T10J

マイクロドローンを操作するコントローラー。レバーが2本ついているアレ。購入時に注意する点は、①本体のところでも書いたが、通信プロトコルを合わせてメーカーを選ぶこと。いろんなプロトコルに対応するマルチプロポもある。②操作方法には、大きく「Mode1」と「Mode2」があり、スロットルレバーの左右の位置が異なる。自分の好みの設定のモードを選ぼう。変更できる機種もあるが、裏蓋開けての作業が必要になる。③コントローラーには、ヘリ用を選ぶ。マイクロドローンは常に高度の操作(スロットル操作)が必要なので、レバーが自然に中央に戻るリターンスプリングのないタイプになる。

FPVゴーグル

SKYZONE社 04X

目視で飛ばす場合は、必要ないが、FPV視点で飛行させる場合はこのゴーグルで、そのドローンに乗って操縦している感覚で飛ばすことができる。ドローンに装着した映像送信機から5.7~5.8Ghz帯で電波を飛ばし、ゴーグルの受信機で受け、映像をゴーグル内に表示する。アナログ方式のため遅延が極めて小さく、ほぼリアルタイムで飛行している映像がゴーグル内に映し出される。ゴーグルに視力補正のダイアルがあるモデルもあり、私は近眼&乱視なのだが、眼鏡なしできれいに映像を見ることができている。

第4級アマチュア無線技士と無線局の開局

FPVゴーグルを使用し、5.7~5.8Ghz帯での映像を受信して飛行する場合は、第4級アマチュア無線技士の資格が求められる。また、業務で使う場合や賞金のレースに出る場合は、産業用の扱いとなるため、「第3級陸上特殊無線技士」以上の資格がいつ必要となる。どちらの資格も少しの勉強で取得することができるので、早めに取得しておこう。資格が取得出来たら、使用する周波数の電波使用申請をして無線局の開局も必要となる。

リポバッテリー&充電器

充電器とリポバッテリー

マイクロドローンは、リポバッテリーから電力を得て飛行する。リポバッテリーにも種類があって機体に対応するリポバッテリーを使う。マイクロドローンは、その小ささから大きな電圧は必要ないため、一般的に1セルから3セルのリポバッテリーを使う。1セルあたり3.7Vの電圧で、その数を増やして電圧を高めている。充電器はセルに電気を充電する装置。リポバッテリーは衝撃や充電方法にかなりデリケート。信頼性のある充電器を使用し、過充電など火災にならないように注意が必要だ。

以上、マイクロドローンを始めるにあたり、必要なものを紹介した。マイクロドローンから見る世界は、空撮ドローンの映像とは、また一味違ったダイナミックなものになる。また、小さくても、しっかり自分の操縦通りに、機敏に動いてくれる姿は、本当にかわいい相棒。ぜひ、マイクロドローンの世界に足を踏み入れましょう~

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